Fate/Another Labyrinth⑥

【出典】イリアスアエネーイス
【CLASS】ランサー
【マスター】カサンドラ・ピュラ
【真名】アイネアス
【性別】?
【身長・体重】168cm・56kg
【属性】秩序・善
【ステータス】

筋力:B

耐久:A

敏捷:B

魔力:C

幸運:A++

宝具:A+
【クラス別スキル】

対魔力:C

魔術に対する抵抗力。Cランクでは、魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

神性:A

美の女神アプロディーテ(ローマではウェヌスとも)の息子、半神。後に彼女によって神の座へと上げられたという。異能ボーナスは交渉判定の向上と魅了の無効化。
【固有スキル】

再行動:A

即座に次の行動に移行するスキル。精神干渉や物理的影響をAランク分無視して、時に自身の行動が終わっていたとしても、相手の行動時にもカウンターや位置移動、二回行動を可能とする。彼に与えられた神々の加護。稀に彼の能力を超えた行為を成させる。

美の顕現:B

美の女神としての恐るべきカリスマ性。他者を惹き付ける力。強力な誘惑を主体とした複合スキル。

ウェヌスの帯:EX

ケストス・ヒマス。美の女神アプロディーテの宝具。足の不治の傷を停めるために巻かれた、魅了による麻痺をもたらす帯。空間そのものとその中の全ての事象を絶対停止させる。時間停止にも等しく、この停止した時間の中で動けるのはヴァイオレットだけで、例外は存在しない。なお、対象となった空間内の人間は意識があるため、自分の身に何が起きているのかを把握する事だけは出来る。

愛と憧れ、欲望が秘められており、自分の魅力を増し神や人の心を征服することができる。愛欲・慕情・口説きといった様々な愛の力が仕込まれている。着用者の魅力を著しく高め、その姿を見た者の心に強烈な恋を引き起こす。

【宝具】
運命は是に示されるファティフェル・エンシス
ランク:A+ 種別:結界宝具(対国) レンジ:0~3 最大捕捉:1人

 鍛冶神ヘパイストスが造り上げしアキレウスの盾と対をなす神造宝具。未来を保証する異なる時間を内包した七層時計。未来視の窮極として存在の寿命を視て押し付ける直死の魔眼と類似した事象や、空間・対象変動、無限加速・停滞の同時使用などが可能。本来の用途としては未来の時間軸を観測する預言の宝具。400年以上も後のローマの栄光が描かれた神盾。

攻撃を受け止めるのではなく、時間を巻き戻したり別時間に送ることで無効化する類。

その愛楽は流星のようにイリオス・パラディオン

 ランク:EX 種別:対城 レンジ:10~1000  最大捕捉:1個

トロイの街から失われ、ローマに伝来したパラディオン。

 パラディオンとはギリシャ神話においてトロイの街を守護していた女神アテナの像を意味する。 「この像がある限りトロイは陥落しない」と謳われていたが、トロイア戦争では敵軍の策略によってトロイは陥落しまっている。 都市を守るとされ強力無比だったたパラディオンは、その実は失われれば都市は滅びるという運命を示したものであった。
城門をこえて都市の中央まで飛来・着弾し都市を破壊するという本来の運用と上記の由来からか劇中では『対籠城宝具』とも呼ばれている。

鍛冶神ヘパイストス直々に製作した槍でもって逆転したパラディオンの概念を解き放つ。

 

カサンドラ・ピュラ

魔術系統:結界、呪詛

魔術回路・質:B

魔術回路・量:C

魔術回路・編成:異常

起源:献身

 

 正道、邪道、異端。

 魔術師の歩む道というのはおよそ大別して三つあるように、私は思う。

 一つはパルジファルのように、真っ当に魔術刻印を受け継いで正道を行く者。

 一つはクリアのように、本来の魔術とは真逆の方向性をもつ邪道を行く者。

 一つは私、カサンドラのように突然変異的に研鑽とは別種の魔術を所有する者。

 

 カサンドラ・ピュラ。

 魔術協会の三大部門の一角、時計塔が呪詛科に所属する魔術師。

 防衛魔術の異端とも言える。極北とも言える。

 カテゴリー的には呪術の一種である護符の魔術とされる。

「わざわざ貴族主義の降霊科ユリフィスに所属するお前が、中立派の呪詛科ジグマリエから引き抜いて来たっていうのかよ」

「彼女は逸材だよ、クリア」

「ふうん?」

「魔術世界には往々にして血統による研鑽を一代で飛び越える天才、異才というものが存在する――冠位の蒼崎橙子なんか分かりやすい例だが――カサンドラはそれだ」

「あそこまで目立つようなら、時計塔で末席な俺でも名前ぐらいは知っているはずだが」

「クリアは防衛魔術を知っているかい?」

「そりゃあ、な。全体基礎で習う類感魔術・感染魔術を防ぐ魔術の一つだ」

カサンドラの使う魔術というのはその初歩中の初歩の魔術――――」

 防衛魔術。

 呪詛や魔力によって損なわれる事象を弾く魔術。自身の健康状態を防衛・維持すると考えた時、その前提について問わなければならない。

 時間の遷移による老化すらも防ぐべき害悪であった場合、どうやって身を守るのか。

 カサンドラ潜在的な魔術回路が編み上げた方法が、自身の自然状態の情報を、傷ついた現在の自分にコピー&ペーストするやり方。

 限定的な時間旅行に近しい。

 たった一代でありながら魔法一歩手前の大魔術を可能とする、その才能。

 異端、に他ならない。

「で、そのカサンドラとやらはどこにいるんだ? 一級講師のお前の内弟子なんだろ」

「彼女はペルシアのある地方で行われている亜種聖杯戦争に参戦しているよ」

「ペルシア?」

 

 

「これが、これがかつて鍛冶神ヘパイストスが造り上げた神造宝具」

 アキレウスが生きた世界の全てを表した大盾。

 全面に渡って凄まじいまでの精緻な意匠が施されているこれは、真名解放することで盾に刻み込まれた極小の世界が展開され、一つの“世界そのもの”で攻撃を防ぐ結界宝具とさえ成るという。

 それがこの亜種聖杯戦争が行われている迷宮の、核をなす“聖杯”に他ならなかった。

 迷宮。

 かつてのギリシアの土地か、それとも軍勢が踏みしめた数多の国の光景か。

 盾に刻まれた世界が閉じた迷宮を語り上げる。

「死骸ぺウケスタス! 敗北を認めなさい。貴方の王は滅んだ!」

 アキレウスの盾、世界という魔力炉心を内包する宝具によって何度も繰り返される亜種聖杯戦争の末に召喚された大本命、ライダー・征服王イスカンダルをランサーは消滅させた。

 倒したのだ。

「さあ、優勝者には聖杯を。かつてトロイにて征服王が賜りしアキレウスの盾。大王がそれを貴方に託して盾持ちにしたけれど。もう貴方の全ては滅んだのだから」

『黙れ。まだ、征服王の道行きは終わらぬ』

「貴方の姿をしたサーヴァントに会ったわ。シールダー。征服王と共に夢見た世界に招かれる貴方。死骸に宿った怨念の呪いは正しく理に還らなければ。世界に染み付いたままではいけない」

『真名解放、蒼天抱けし小世界アレクサンドロス・コスモスよ!』

 王の軍勢が吼える。盾に刻まれた世界に写された残響が叫ぶ。

 世界をもって防ぐものが、世界をもって攻めるものへと変わった瞬間だった。

 

 

「これが、伝説のアキレウスの盾、アキレウス・コスモス……」

 霊墓アルビオンから採掘される呪物などとは比べ物にならない、魔術礼装としての加工すら無意味な、数少ない現存する宝具。

「どうなさるおつもりですか、パルジファル

「用途としては簡単だ。見立ての魔術、つまり類感呪術さ」

 抑止力が発動者となる降霊儀式・英霊召喚。

 これを極小とはいえ世界、盾の魔力炉心と世界という概念を相互作用させる。

「おそらくぺウケスタスも同じ方法を使ったのだろうね。迷宮を造ったのは鏡像結界に由来するものだ。盾の内側・・にある世界を外側にしただけの話。サーヴァントを召喚したのは世界が行う英霊召喚を盾の内包世界に反映させたんだ。故に亜種聖杯ながら七騎のサーヴァントを確立できたのだろうね」